//畑から店先まで!ショコラトリー「サンニコラ」と国造ゆずが生み出すシナジー

畑から店先まで!ショコラトリー「サンニコラ」と国造ゆずが生み出すシナジー

石川県野々市市に本店を構えるパティスリー&ショコラトリー「サンニコラ」。

2003年の創業以来、特色を持ったチョコレート菓子を世に送り出し続けている。県外からも訪れるファンが断えない人気店だ。

そんな「サンニコラ」には、国造ゆずを使用した製品がいくつかあるという。

オーナーの藤田さんとショコラティエの鳴瀬さんにお話を伺った。

 

石川産食材の伝道師、国造ゆずに出会う

藤田さん「ボンボンショコラとニコロン(マカロンに極薄のチョコレートをコーティングしたもの)のラインナップの一つに国造ゆずを使っています。それから果汁を使ったジュースですね。

季節商品では、バレンタインの時期にゆずジェットを売り出しました。

地元産の食材を“地場もん”っていうんですが、“地場もん”を使った商品をラインナップに入れたくて。県外から来たお客さんは喜びますから。地元で手に入るものはなるべく地元で買うというのが、お店のコンセプトなんです。」

 

 

商品ラインナップを見ると、たしかに国造ゆずの他にも能登塩や能登栗、加賀棒茶など、県内各所の特産物が登場している。

数年前まで知名度があまり高くなかったはずの国造ゆずをどのように知り、使うようになったのだろうか。

 

鳴瀬さん「実は私、出身が国造地区の近くなんです。4年前、たまたま地元のスーパーに行ったら果汁が売られていたんですね。それを試してみようとお店に持っていったのが、国造ゆずとの一番最初の出会いです。味見してみたら美味しかったので使ってみたいなと。今まで業者さんから冷凍のピューレ買っていたんですが、国造ゆずはそれよりも味が濃くてよりはっきりとゆずの味が出るようになりました。」

 

藤田さん「それまで石川県で柑橘類が取れるなんて思っていなかったので驚きました。果汁を使い始めて、昨年に国造ゆず祭りへ初めて行きました。果汁ではなく、果実で国造ゆずを買いたいと思ったら、年に一回のゆず祭りに行かなきゃいけないって言われたので、じゃあ行くしかないと。」

 

ゆず祭りでは何より人の多さに驚いたという。国造地区近くのご出身である鳴瀬さんですら、地元で渋滞が起こるのをゆず祭りの日に初めて見たと笑う。

 

カカオ豆の皮がゆずを育てる!?

さらに、チョコレート店とゆず農家との間で回る循環型農業の試みが国造ゆず祭りをきっかけに始まったのだとか。

 

藤田さん「カカオ豆からチョコレートにする加工工程って少ないんです。だからチョコレートの味はカカオ豆の味に左右される。

そこで、うちではBean to Barといって、カカオ豆を買い付けてチョコレートバーになるまで一貫して製造を行っているんですが、カカオ豆の2割くらいは皮なんですよ。ローストした後に取ったその皮をそのまま捨てると、ただのゴミになっちゃう。

でも、畑にまくと良い肥料になるよと言われていて、ミミズがたくさん出て土がふわふわになるらしいんです。それならゆず農家さんにあげたらいいんじゃないかと。」

 

鳴瀬さん「2年前のゆず祭りでゆず農家の河原さんにその話をしたら、まず蒔いてみるねって言われて。100kgくらいあげたんですよね。」

 

藤田さん「そうしたら、カカオ豆の皮を肥料に国造ゆずを作って、できた国造ゆずを仕入れてチョコレートを作って……と循環ができる。

無農薬で作りますって言っても肥料はあげなきゃいけないですよね。その時に、カカオ豆みたいな穀物が元の肥料をあげるという方が自然じゃないですか。」

 

あいにく2018年は天候不良や裏年など悪条件が重なり、堆肥の効果を確かめられなかったものの、今後もぜひ取り組みを続けてほしいところだ。

 

 

取材中、国造ゆずが生産継続に抱える課題に話が及べば、「できることならなんでも協力しますよ、なんなら植えに行きますよ」と植樹する仕草までして見せてくれる藤田さん。

ただ素材を仕入れチョコレートにして売るだけでなく、地元食材の生産過程でも応援するのがサンニコラだ。ここで作られるチョコレートの味には、“地場もん”とそれを育てる環境への思いやりが滲み出ている。

 

 

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坂田柚子香

書いた人

東京大学農学部3年生。フィールドスタディ型政策協働プログラム2期生。群馬生まれの東京育ち。中山間地域での課題解決を学ぼうと、2018年夏から国造ゆずに関わり始める。都会に住む学生としてどのような関係を国造地区と築いていけるか模索中。